いつも悲しい『人間+α』

ただ今、絶賛本番中『天使は瞳を閉じて』中盤戦です。
おかげ様で、日々多くの方に足を運んで頂いております。

しかし暑さが盛り返してきて、池袋の照り返しの暑さはまた一段と凄い。
局地的な豪雨に見舞われる今日この頃で、傘の準備も無く突然不幸に見舞われた方も多々いらっしゃるのではないでしょうか?
そんなお天気ネタから強引にご紹介する本日の作品はコレ。

待ってました!スーパーB級映画ムカデ人間です。
この作品でムカデ人間になってしまった方々は、本当に突然見舞われた不幸としか言いようがありません。
かつて『○○人間』と言えば、シザーハンズ(人造人間)、はえ男、スパイダーマン、etc…物語はきちんとラストで締めくくりのある、それなりに切ないものです。
が、ムカデ人間に関してのラストは投げっぱなし放置状態の切なさ。
この救いの無さにはビックリするぐらいやられました。

今までの『人間+α』は基本的にSFなので、きちんと合体出来ていると思います。
だからそういった生き物としてそれぞれ主人公が自覚し、その上で恋愛やら何やらを通して普通の人間になりたがって(戻りたがって)いる葛藤を描いています。
つまり主人公の外見を受け入れて彼らの内面の葛藤を見れるのですが、ムカデ人間はまず生き物として合体しきれていない為、もうそれだけで救われないのです。
僕がここで述べている「きちんと合体する」定義とは、はえ男やらは取り敢えず何か食べたりしていれば、生物としては生きていけるのを基準としています。
しかしムカデ人間はダメです。
チラシの図や他のサイト情報でご覧になったら分かるかもしれませんが、生存の過程で既に失敗しています。
だからムカデ人間には恋愛とかそんな事に心を動かす余裕がありません。
ただひたすら「これから私達どうなるの?」という心理状態が続きます。
鑑賞者の僕も「このオチはどうなるの?」というハラハラ感に始終します。
そして見事に物語は投げっぱなしに終わってしまう為、…。という感じで席を立つ事になりました。

しかし振り返ってみると、この只くっつけてみるというアナログ感な発想はたまらなく刺激的です。
いままでの『○○人間』はしょせん夢物語で、まずはそういった科学技術が前提条件に必要です。
しかし「そんな科学技術はけっして生み出されない!」とでも示すかのように、今ある技術の中で夢を実現させていくリアリストな作品です。
そして主人公の気違い博士は見事にロマンチストです。
この博士の演技が素晴しい。
特にニオイを嗅いだり舐めたりする仕草が最高にロマンチストでした。

さてロマンチストが死んでしまった今、残されたムカデ人間の一部を一体誰が引き受けるのだろうか?
夢を見過ぎた者の愚行は、それを未来へと残してしまいました。
この手の付けられない目を背けたくなるようなモノをどうするべきか。
実は現代の世相を反映するかのような悲壮感をこっそり残したメッセージだと深読みしてみました。
この映画の先に現実がある気がします。

ここまで文章を読んで頂き、もし見に行こうかなと思った方に助言しておきます。
あくまでもB級映画です。

*ちなみに○○人間をいろいろと調べていたら、この世には『ワニ男』という人間がいるそうです。
「”ワニ男”とは、風呂場で長時間待機して、女性がやってくるのを待っている輩たちです。彼らは湯船に浸かりながらまるで獲物を狙うワニのように女性に群がるのでそう呼ばれています。女性の裸を見るためにペットボトル持参で入り口付近に陣取っているからすぐに分かりますね(混浴温泉評論家の大黒敬太氏)」
なるほど。

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